薪ストーブ備忘録01〜適正地

これから生活者として住宅設計者として、薪ストーブについて体験したこと考えていることを書き残ししていくことにする。

生活者としては、約30年近く薪ストーブを使ってきた。1台目はアメリカのダッチウエスト製カナディアンAプラス(FA224)。1件目の自宅に設置して、そのまま置いて家を出てきてしまった。(多くは語らない(笑))そして、2台目も同じカナディアンAプラス。価格と性能の比率がとても良く私が一番好きな薪ストーブだ。葉山の自邸で20年目を迎えるがいまだに現役。ただ、もう生産販売終了済みで、交換部品も少なくなってきていてとても残念。次に交換必要な部品が手に入らなくなったら、ストーブごと交換しなければならなくなるだろう。

住宅設計者としては、デザインギャラリーの「DOMA どま 土間」で紹介した9件に加えて、10件以上設計設置してきていて、将来のためにと壁の中にめがね石だけを入れたケースも含めるとかれこれ50件以上薪ストーブを設計してきた。そんな経験はいろんなことを教えてくれている。そんな経験をもとに備忘録として書き残していく。順不同で思いついたことから書いていく。過去のブログに書きためていたものもあるので、そちらも参考にしながら読んでみてください。

2013年8月までのブログのカテゴリー「薪ストーブ」(50話)

 

さて、薪ストーブライフを送るのに適正な場所ってあるのだろうか。

今年の夏、目黒区で住宅計画の案件があった。建て主は薪ストーブにあこがれがあるらしく、広いリビングとその一角に薪ストーブを希望された。しかし、計画地は都内幹線沿いの建物密集地であり、背後に中層のマンションを控えていた。周辺住人から薪ストーブの煙によるクレームが発生することが容易に予測できた。住宅街でも、同じ2階建てが連なる住宅街で、周辺住民との人間関係が良好であれば、なんとか薪ストーブを使うことはできるだろう。それでも人間関係による。土地柄、薪ストーブは難しそうですと伝えると建て主は理解を示され薪ストーブを断念してくれた。

経験によると、薪ストーブから煙が見えると不快感を発生させることもあるらしい。なので、近所に4階建てのマンションなんかがあれば、とても薪ストーブは使えないと思って良いのだ。また、最近は、建築基準法でシックハウス対策の24時間換気が義務づけられていて、1年中家の中の空気を外気と入れ換えることが求められている。それは、薪ストーブの匂いが外に漂っているとよその家の中に匂いが入ることもあることを意味する。自分の家に入ってくるのであれば我慢はできるが、よその家の煙の匂いが入ってくるのではたまったものじゃない。人の心としてそれはそれで理解はできる。なので、住宅街で薪ストーブはなかなか難しいというのが、設計者としての本音というところ。

まったりと薪ストーブライフを楽しむのであれば、やはり山の中で暮らすのが理想的だ。

 

※ アマ、プロ関係なく、薪ストーブについてお聞きになりたいことがありましたら、佐山までお気軽にお問い合わせください。
 
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