リフォームとリノベーションの違いは?

この言葉の違いを瞬時に答えられる人はなかなかいないのではないかと思う。私も明快な解釈に出会うまで、なんとなくはわかるがもやもやっとしていた一人だった。

リフォーム(reform、rehome))とは和製英語であり、英訳するとmakeover(作り変え)やupdating(更新)、renovation(修復)、redecoration(改装)などが出てくる。ややや。リフォームの英訳にリノベーションも出てくるではないか。ややこしくなってくる。また、makeoverはヘアメイク、updatingは情報などがイメージされる。建物の改修に使うにはピントがはずれている感があり、やはり建築ジャンルに使うにはrenovation、redecorationがあってきそうな感じだ。

私がすとんと納得した解釈は次のような解釈だった。

『リフォームはマイナス面をゼロに戻す改修であり、リノベーションはゼロに戻しさらにプラスを加える改修である』

なるほどと膝を打ち、美容整形はリフォームで性転換手術はリノベーションか!と思ったがそれはさておき。世の中で使われている意味合いがすべてその解釈で使われているとは限らないが、もやもやっとした霧はすーっと晴れていった。

ところで、リフォームも設計されるんですか?と聞かれることもある。私の事務所では新築物件しか設計しませんと宣言しているわけではないが、そのように見られているのも事実なのでしょう。最近では、中古住宅市場の充実を目論み、中古売買時に優良物件のお墨付きを与える目的で住宅インスペクションが行われている。これは制度としても整備されつつ有り、既存住宅状況調査技術者なる資格もある。弊社でも、4年ほど前から住宅インスペクション業務を行っており経年した住宅の様々な面を見てきた。戸建て、マンションなど、延べ100軒を超える状況を調査してきたが、幸いにこれは流通させてはダメでしょうというひどい物件はなかった。特に印象に残っているのは「なにも売らなくても良いと思うんだけど…」未練があるのだろう、事情はどうであれ。新築設計をするときの印象とはかなり違うということ。

リフォームは今まで住んできた人がさらに快適に住み続けるためのお色直しであるとも言える。住人が変わる場合はリフォームはもちろんのことリノベーションも視野に入れて前住人の気を抜いて新しい空間を再構築するのが良いと思う。有形のプラスだけではなく目に見えないさらなるプラスも必要になると思われる。日本ではなかなか数百年住み続けられている住宅は少ないが、欧米ではかなり存在し、それまで住み続けてきた住人達も夜な夜な住み続けているという話も聞く。新築の場合は地鎮祭を行い、その土地の氏神(うじがみ)に挨拶する儀式を行う。リノベーションの場合もそのような儀式が必要ではないだろうか。解体される建物の前で地鎮祭をやっているときに、建物のドアが勝手に開いたことがあったという話を思い出した。

追記:

思えば、この事例は地鎮祭ならぬ前住人感謝祭をやれば良かったかなと思う。現場に入った職人が影を見たと言っていた。

リノベーション。渋谷

 

この写真と本文は全く関係ありません。

 


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