建築家展に参加しました

2017.07.15から三日間、横須賀市の湘南国際村で開催された建築家展に参加しました。日常生活ではなかなか出会うことが少ない建築家とお話するイベントです。今回は、逗子、鎌倉、横浜から総勢10人の建築家が集まりました。
三日間ご来場いただいた方々といろいろなお話しをするのですが、みなさんそれぞれいろいろとお悩みをもっておられました。

特に印象に残っているのは、家族構成の変化に伴い今のすまいをリフォームするか、建て替えるかというお悩みでした。予算的にはリフォームなんだろうけれど、築年数からすると構造的に大丈夫なのだろうか、建て替えた方がよいのではないかという悩みです。その悩みにプロの視点でどう思うかということでした。
実際に状態を見てみないとわからないことが多いのですが、ひとつの視点は1981年に大きく改正された耐震基準を満たしているかと言うことでしょうか。ようはその建物の完成時期が1981年以降か以前かという視点。築36年以上か以下か。その耐震基準は、新耐震基準と言われ以下のような概念で改正されています。

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新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれた。旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』と変わった。
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リフォームか建て替えかで悩むときには、ひとつの机上の判断基準となります。新耐震以前の建物であれば、目に見えない内部構造の状態が良好でこの先も問題ないとなれば耐震補強を行ってすまいの寿命を延ばすことが可能になりますが、構造に痛みがある場合は建て替えた方が安心して住むことができます。ただ、築年数が浅くても、構造に痛みがある場合や合法的に造られていない場合はやはり建て替えた方が良い場合もあります。こればっかりは現物を調査してみないと判断できません。

子供夫妻と同居することになったのでリフォームしたい。
身の丈に合った終のすまいを再構築したい。
犬と楽しく住むのに快適な環境を整えたい。
ハウスメーカーや工務店のショールームは現実味が無いので建築家はどのような空間を造っているのか。
土間と木、薪ストーブのライフスタイルを構築したい。
などなど。いろいろな方のお悩みをお聞きできて充実した三日間でした。

木(もく)と風が設計テーマの我々にぴったりの志向をもった方々もいらっしゃいました。とっても興味深くお話をお聞きしましたが、私たちの設計志向がうまく伝わったのかどうか。伝わってくれるとうれしいのですが。
そうそう、釣り具畑メーカー一筋の方もいらっしゃり、ルアーメーカーとして今はメジャーになったシイラゲームを仕掛けたというお話しもお聞きでき、是非また別の機会にその方面のお話しもお聞きしたいと思いました。またの機会があることを楽しみにしています。

 

 


薪ストーブ備忘録03〜薪と焚き付け

薪ストーブに使われる樹木には大きく分けて、針葉樹と広葉樹がある。針葉樹とは、杉、松、ヒノキなどのいわゆる建築の構造材によく使われる樹種であり、比較的簡単に手に入る木材。広葉樹は、ケヤキ、クヌギ、ナラ、タモ、クリなどなど。また、サクラ、リンゴなどの果樹系も香りが良く手に入るとうれしい樹種だ。

薪ストーブに使うのは、主要熱源としては広葉樹や果樹であり、焚き付けに針葉樹を用意しておくとスムーズに焚き付けられる。杉や松などの針葉樹は、燃えやすく、一気に燃え、高温になる性質がある。なので、薪ストーブ用のメインの薪としては使いにくい。ならしが良くできていない薪ストーブであれば一気に高温になり、薪ストーブを壊してしまうこともある。

反面、広葉樹系は火は着きにくいが、一度火が着くと火持ちが良く、高温にもなりにくいので長い時間かけてゆっくりと暖を取ることができるのだ。なので、適材適所で、針葉樹は焚き付け用に広葉樹はメインの薪として用意しておくと着火がスムーズになるので、都合が良い。

また、最近はシュレッダーの紙くずを紙に包み、スターターとして使うととても便利なことがわかった。シュレッダー、針葉樹の焚き付け、広葉樹と順番に積み重ねて着火すると、一発でスタートさせることができるのでとても重宝している。

 

▼ 左が焚き付け用針葉樹の杉、右が広葉樹のケヤキ

 

▼ シュレッダーの廃材

 

※ アマ、プロ関係なく、薪ストーブについてお聞きになりたいことがありましたら、佐山までお気軽にお問い合わせください。
 
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薪ストーブ備忘録02〜煙突計画

既存のすまいに薪ストーブを設置する場合は、煙突の外への出し方が限られてくるが、新築の場合は自由に設定できる。自由にできるからといって、何も考えずに設置するといろんなことが発生する。数多く経験してはじめてわかってくることも多い。

生活者、設計者としての視点なので、それが全て正しくそれをベストだと言い切ることはしないが、かなり的を得ていると思う。

結論から書くと、薪ストーブの近くで一度水平方向に曲げて、それから上に上げるとよい。そしてその曲がりの部分に掃除口をつけておく。その掃除口がある部分は家の外にあれば煙突掃除の時に家の中が汚れなくて良い。ただし、煙突をできるだけ家の中を通るように設計すると、煙突から出る輻射熱も家の中に蓄えることができるので、それはそれで有効だ。

ポイントは、ストーブから煙突をまっすぐ上にあげないこと。どんなに優秀な煙突トップ(煙の出口)でも、雨が侵入する。冬期ストーブを焚いているときは雨が侵入してきても、熱で蒸発していくだろうが、オフシーズンは気がつかないうちにストーブまで雨が侵入してきて、ストーブ本体を錆びさせるのだ。そうならないように、オフシーズンは掃除口を開けたままにしておき、侵入した雨は勝手に外に出るようにしておくと良いのだ。

薪ストーブ販売業者は、いずれ薪ストーブ本体を買い換えて欲しいという意識が働くかもしれないが、生活者としてはできるだけ永く使いたいというのが本音。こつは薪ストーブ本体を可能な限り雨から遠ざけるような煙突計画とすることだ。

 

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薪ストーブ備忘録01〜適正地

これから生活者として住宅設計者として、薪ストーブについて体験したこと考えていることを書き残ししていくことにする。

生活者としては、約30年近く薪ストーブを使ってきた。1台目はアメリカのダッチウエスト製カナディアンAプラス(FA224)。1件目の自宅に設置して、そのまま置いて家を出てきてしまった。(多くは語らない(笑))そして、2台目も同じカナディアンAプラス。価格と性能の比率がとても良く私が一番好きな薪ストーブだ。葉山の自邸で20年目を迎えるがいまだに現役。ただ、もう生産販売終了済みで、交換部品も少なくなってきていてとても残念。次に交換必要な部品が手に入らなくなったら、ストーブごと交換しなければならなくなるだろう。

住宅設計者としては、デザインギャラリーの「DOMA どま 土間」で紹介した9件に加えて、10件以上設計設置してきていて、将来のためにと壁の中にめがね石だけを入れたケースも含めるとかれこれ50件以上薪ストーブを設計してきた。そんな経験はいろんなことを教えてくれている。そんな経験をもとに備忘録として書き残していく。順不同で思いついたことから書いていく。過去のブログに書きためていたものもあるので、そちらも参考にしながら読んでみてください。

2013年8月までのブログのカテゴリー「薪ストーブ」(50話)

 

さて、薪ストーブライフを送るのに適正な場所ってあるのだろうか。

今年の夏、目黒区で住宅計画の案件があった。建て主は薪ストーブにあこがれがあるらしく、広いリビングとその一角に薪ストーブを希望された。しかし、計画地は都内幹線沿いの建物密集地であり、背後に中層のマンションを控えていた。周辺住人から薪ストーブの煙によるクレームが発生することが容易に予測できた。住宅街でも、同じ2階建てが連なる住宅街で、周辺住民との人間関係が良好であれば、なんとか薪ストーブを使うことはできるだろう。それでも人間関係による。土地柄、薪ストーブは難しそうですと伝えると建て主は理解を示され薪ストーブを断念してくれた。

経験によると、薪ストーブから煙が見えると不快感を発生させることもあるらしい。なので、近所に4階建てのマンションなんかがあれば、とても薪ストーブは使えないと思って良いのだ。また、最近は、建築基準法でシックハウス対策の24時間換気が義務づけられていて、1年中家の中の空気を外気と入れ換えることが求められている。それは、薪ストーブの匂いが外に漂っているとよその家の中に匂いが入ることもあることを意味する。自分の家に入ってくるのであれば我慢はできるが、よその家の煙の匂いが入ってくるのではたまったものじゃない。人の心としてそれはそれで理解はできる。なので、住宅街で薪ストーブはなかなか難しいというのが、設計者としての本音というところ。

まったりと薪ストーブライフを楽しむのであれば、やはり山の中で暮らすのが理想的だ。

 

※ アマ、プロ関係なく、薪ストーブについてお聞きになりたいことがありましたら、佐山までお気軽にお問い合わせください。
 
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要リセット。暖房のアップツーデート

福島第一原発事故から既に5年経過している。この5年間で電力事情が大きく変わった。事故以前であれば、一度運転すると止められない原子力発電。昼間の需要に合わせて出力を設定すると夜間は過剰供給になる。なので、夜に積極的に使ってもらう施策が必要になるので夜間の電気代を安くして需要を喚起していた。そのため、深夜電力を使って夜間に熱エネルギーを家にため込む暖房スタイルが成立していた。私の暖房設計手法は輻射熱を基本としているので、家のどこかに熱をため込み、そこから輻射熱を発散させる方法を多く採用してきた。薪ストーブ、深夜電力による蓄熱暖房機、蓄熱床暖房などなど。その考え方を変換させる必要があるのだ。

それでも、前年度(平成27年度)まで深夜電力利用の暖房機を採用すると「機器割引」があり幾分割安利用感が得られていたのだが、今年度(平成28年度)からはそれが全くなくなった。それでも深夜電力時間帯は若干電気料金が安いが、膨大な電力を熱エネルギーに変えて家の中にため込む方式の採用メリットがほとんどなくなった。

これまでも、太陽熱のダイレクトゲインも積極的に採用してきたが、今後は更に積極的に採用していきたい。それは、冬の太陽熱を直接家にため込むこと、と同時に夏の直射をさえぎることをセットに考えること。

深夜電力を新規採用できなくなったことは残念だけど、原子力に頼らないやりかたが良いと思うので、前向きに取り組んでいきたい。

 

 


●2016年11月1/3

・2016.11.07(月)

現在進行中の現場が遅れ気味で、完成見学会を行うことができそうもないので、Webで見学できるように仕込もうと検討中なのだ。まだ、現場の途中からいろいろと考えて決まったデザインのお話しを動画で見られるようにしたいなと企んでいる。すると、写真や動画でやるのならインスタグラムをプラットフォームにするのが良いと。若い人はインスタグラムらしい。そんなこんなで、インスタグラムにアカウントを持つ。まだ、未発信。それにしても、今日は久しぶりに焚きたくなるほど寒い。

 

・2016.11.06(日)
今年の初焚きは、11/2だった。あまりの寒さにこらえきれなくなり薪ストーブに火を入れた。例年だと、初焚きの相場は11/16と決まっていて、それより早くもなく遅くもない。もうダメだそろそろ焚くかと我慢しきれなくなるのがその11/16なのだった。今年は二週間も早かった。寒さを我慢せず、焚きたければ焚けばいいだろうにと思うかもしれない。しかし、限りある薪。大事に大切に焚いていきたいので、焚き始めをできるだけ先延ばしにしているのだ。その薪も、ここ5〜6年ほどは、いただけるアテがあったので苦労しないで入手できていたが、そのアテ主が今年からもう薪の入手をやめるという通告があった。そんなこともあり、ワンシーズンフルに焚くには少し少ない量の薪しかないのだ。いよいよ、買うことになるのか。薪ストーブライフ30年にして、はじめて買うことになるか。