異ジャンルデザイン〜お弁当 2019年5月

お弁当をデザインするようになると、ただ美味しいものを丁寧に詰めるだけで終了というわけにはいかなくなった。やはり、より美味しく食べてもらいたい。食べたい。朝に作って昼に食べる。その5~6時間その美味しさをキープさせたい。お弁当の本やサイトをぱらぱら。曲げわっぱという強力ツールがあることを知る。朝野良仕事に出かけるときに曲げわっぱ弁当を持って行く。昼までの間、炎天下にお弁当がさらされることもあるという。それでも、秋田杉でできた曲げわっぱだとお弁当も傷まず、美味しく食べることができると知った。すごいこと。そういえば、このサイトを始めた20年ほど前、サワラのおひつを友人に贈ったことを思い出した。ごはんを美味しく食べる昔からのツールだった。

・サワラという木(1999年3月8日の投稿)

これってすまいと同じだとあらためて考えさせられた。自然素材、天然素材でできたすまいは、調湿作用が自然に効いてとても過ごしやすい。ベイマツ合板、秋田杉で全部できている我が家は、エアコン知らず、加湿器除湿機もない。それでも 20年以上快適に暮らしている。曲げわっぱもそれと同じなんだなーと。お弁当制作という異ジャンルデザインをすることで、本業のデザインにもその精神がフィードバックされた。今一度、初心に帰って、自然素材を見直してみよう。最近、白の空間をデザインすることが多いが、やはりそこに住まう人のことを考えて、より一層健康的に暮らせる空間デザインを見直してみよう。

・23年完成時の我が家『葉山。木・風・猫の家 No.10』


謹賀新年 2019.01.01

こつこつとお客様の希望をかたちにしていきます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 


平成30年24号台風でリデザイン

 

2018年10月1日未明1:30頃、台風24号により、葉山町に突風が吹き荒れました。枕元においてあった携帯電話が鳴り、そのコール内容でその事態の大変さを知りました。「バルコニーの屋根が飛んで家が揺れているけど、このまま家にいて大丈夫か」と私のお客さんから。それから目が覚めて屋上から周囲を見渡すと、突風が吹くたびに電柱のトランスあたりから火花が真横に飛んでいき、それはここに住み始めて25年目にしてはじめての体験でした。聞くところによると、湘南国際村では、瞬間風速50m/sを記録し、近所では古民家が真横に倒壊したとも聞こえています。とんでもない災害でした。翌朝、我が家も点検すると、上の写真のように2階のバルコニーの付け庇が全壊していました。

早速、深夜コールのお客さんのところに行くと、バルコニーの屋根が飛んでオープントップになっていました。取り急ぎ、雨による二次被害が出ないように施工者に応急手当てを依頼し、火災保険手続きのための資料作成準備をしました。この風水害による復旧費用は火災保険で担保できます。まずは、被害が広がらないように応急復旧して、保険の手続きを進めます。

 

お客さんの要望をお聞きすると、また同じような災害時屋根が飛ばないように工夫したいとのことでした。開閉式の屋根にしたいともお話されたので、カブリオレスタイルにリデザインすることにしました。ピンチをチャンスに。これをきっかけに、雨のときは屋根が有り、気持ちの良いときや台風時には格納できる屋根スタイルへ、まさにカブリオレスタイルの住まいです。

まだ、計画が始まったばかりですが、さらにワクワクするような生活ができそうで、楽しみにしています。
我が家のバルコニーも、台風に備えてカブリオレスタイルへリデザインする予定です。

 

被害前のバルコニー

 


Tシャツでアイスクリーム

 

あるプロジェクトがきっかけで日頃考えていることが私の中で生き生きと動き始めている。

● エアコンに頼らないこと
● 風、太陽などの自然エネルギーを存分に活用すること
● 一度蓄えた自然エネルギーを逃さないこと
● 再生資源である木を使うこと

これらは、私が今まで住宅制作活動の「プランニング」において実践してきたこと。あくまでも「パッシブ(ソーラー)プランニング」であり、設備を多用する「アクティブ(ソーラー)プランニング」ではない。すなわち、それは設備に頼ることのないプランニングの工夫、言い換えれば間取りや断面計画の工夫で実践しようとすることなのだ。

夏は微風を捉えて住まいの中に気流を発生させる。
冬は太陽光を家の中に蓄え、逃さない。

この2点は、費用のかかる設備投資をしなくても設計の工夫で可能な知恵なのだ。かつての日本家屋がそうであったように、自然とともに暮らす知恵である。
ただし、かつての日本家屋そのままでは、「夏をもってすべし」がいうように夏の涼しい暮らしの知恵でしかない。現代生活では冬の豊かな暮らし方の視点を圧入することと痛感する。
かれこれ40年ほど前、北海道から東京に出てきた私に、なんて東京の冬は寒くて貧しい暮らしぶりなんだろうと感じたことが源流として流れている。『どてらにこたつでみかん』 VS『Tシャツ姿ストーブの前でアイスクリーム』は笑い話ではあるが。

 

2016年COP(気候変動問題に関する国連気候変動枠組み条約締約国会議)でパリ協定が発効された。それは、世界平均気温の上昇を1.5~2℃までに抑えることを目標にしようという指針である。
これは、エネルギーの浪費をやめ、有限かつ温暖化を促進する化石エネルギーの使用を大幅に減らそうという目標だ。
それは、自然エネルギーを積極的に使い、一度得たエネルギーを有効に使おうということと同義と考えて良い。
現在最もよく聞こえてくるキーワードは「脱炭素」。かつては、サスティナブル・デベロップメント(持続可能な開発)とも言われていた。次世代につけを回さない開発。それをさらに具現化するキーワードとして脱炭素がいよいよ動き出したと考える。もうすでに1980年代から同じことを指針としてきているのだと改めて考えさせらるのだ。

 

築40年、100坪、各室にバスルームを持ったかなり贅沢な木造家屋が目の前に現れた。古いといえば古い。少し前であれば、スクラップ・アンド・ビルドだったはず。セントラルヒーティングで全館空調されたであろうその館は、やはり脱炭素を目指してリノベーションする必要があろう。
木造家屋の心臓部にシロアリが巣食っていないか、建物は不同沈下していないか、基礎は生きているか、そのためのチェックが必要である。それらのチェックで延命可能と診断されたら、徹底的にリノベーションを行いたい。

その際には、やはり

● エアコンに頼らないこと
● 風、太陽などの自然エネルギーを存分に活用すること
● 一度蓄えた自然エネルギーを逃さないこと
● 再生資源である木を使うこと
を念頭におきたい。

この脱炭素の指針のもとこの館が延命再生されることは、地球人類地域住人の持続可能な具体的手法になると考える。

能書きはさておき、安く快適にそして人間らしく暮らせるすまいに再生させることが第一目標であることはいうまでもない。
冬の寒い時期、太陽光の恩恵を受け、Tシャツ姿でアイスクリーム片手にのびのびと動き回れるすまいが理想的だ。

 

 


1991年。30歳の地図

もうかれこれ25年以上も前の企業人時代「アトレ」という情報誌に掲載されました。そのタイトルは「30歳の地図〜70坪、東京ドーム目標売り上げ10億円。一級建築士の仕事はそこから始まった。」です。1987年頃、私は商業施設を専門に担当していて後楽園スタジアムから東京ドームに生まれ変わるというタイミングで幸運にもその店舗設計を任されたのでした。

その顛末は、私の源流であり今も根底に流れる教訓になっています。

「店舗デザインは商品が売れてなんぼ」デザインが優れていても商品が売れなければだめということ。

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