台風で家がこわれたら?

Yahoo!japan 防災速報より

 

今日現在台風は発生していないようですが、先日の台風18号では日本各地に大きな爪痕を残したようです。被害に遭われた方々は大変なことだったと思います。ご苦労をお察しいたします。

 

さて、台風で家が壊れてしまったときはどのように対応するのか皆さんはご存じでしょうか。屋根が飛んだ、水害にあった、物が飛んできて外壁や窓ガラスが壊れた、などなどいろいろなことが起こります。その時に、火災保険に加入しているとその保険で台風被害の復旧費用をまかなえることがあります。台風被害で火災保険が使える?と思われる方も多いのではないでしょうか。最近では、火災保険の保険料を抑える目的で火災以外の被害については保険の対象外とする火災保険もあるようです。しかし、火災が起きることは台風被害に遭う可能性よりもかなり低いので、保険料を抑えたた火災保険よりも風水害も保険対象とした総合火災保険に入ることが備えとしては必要だと覚えておいてください。

 

私も、事務所兼自宅を建ててそろそろ20年を迎えようとしていますが、台風被害で2度ほど火災保険のお世話になったことがあります。1度目は台風で2階の窓庇が吹き飛ばされました。かなり強い風だったので、台風一過の翌日外に出ると窓庇が地面に落ちていました。それで、復旧の見積もりを取ると50万円弱でした。外部の被害は足場が必要になるので、免責額の20万円はすぐに超えてしまいます。雨樋が台風で飛んでしまっても、足場が必要になると、免責額を超えることが多いですので、火災保険で復旧することができます。

 

一方、台風の被害では火災保険が有効になる場合が多いですが、姉歯事件以降義務づけになった住宅瑕疵保険では保険対象にならないことが多いです。この住宅瑕疵保険は、10年間主に建物の不等沈下(傾き)と雨漏りが保証対象となります。よって、台風などの突発的な自然現象によって雨が漏ったなどの被害については免責になりとりあってくれません。あくまでも、施工の瑕疵(ミス)によって生じた雨漏りがその対象になります。ですので、台風被害では火災保険が頼りになります。とても心強い保険です。施工者さんも知らないことが多いので、台風で被害に遭ったらまずはすまいを造ってくれた施工者さんに火災保険はつかえますか?と相談してみましょう。もう、倒産してしまって誰にも相談できないという方は、私宛に相談いただいてもかまいません。火災保険の対象になるかどうか、対象になる場合の復旧費用はいくらになるかの相談はいつでも受け付けます。こんなケースはどうなんでしょうか?などなどお問い合わせ下さい。
佐山メール m.sayama@mac.com
 

台風で家が壊れたら、火災保険が使えるかもしれない。これは覚えておいてください。頼りになります。

 
 


1991年。30歳の地図

もうかれこれ25年以上も前の企業人時代「アトレ」という情報誌に掲載されました。そのタイトルは「30歳の地図〜70坪、東京ドーム目標売り上げ10億円。一級建築士の仕事はそこから始まった。」です。1987年頃、私は商業施設を専門に担当していて後楽園スタジアムから東京ドームに生まれ変わるというタイミングで幸運にもその店舗設計を任されたのでした。

その顛末は、私の源流であり今も根底に流れる教訓になっています。

「店舗デザインは商品が売れてなんぼ」デザインが優れていても商品が売れなければだめということ。

PDFデータダウンロードはここ(7.3MB)A4雑誌4ページ分


建築家展に参加しました

2017.07.15から三日間、横須賀市の湘南国際村で開催された建築家展に参加しました。日常生活ではなかなか出会うことが少ない建築家とお話するイベントです。今回は、逗子、鎌倉、横浜から総勢10人の建築家が集まりました。
三日間ご来場いただいた方々といろいろなお話しをするのですが、みなさんそれぞれいろいろとお悩みをもっておられました。

特に印象に残っているのは、家族構成の変化に伴い今のすまいをリフォームするか、建て替えるかというお悩みでした。予算的にはリフォームなんだろうけれど、築年数からすると構造的に大丈夫なのだろうか、建て替えた方がよいのではないかという悩みです。その悩みにプロの視点でどう思うかということでした。
実際に状態を見てみないとわからないことが多いのですが、ひとつの視点は1981年に大きく改正された耐震基準を満たしているかと言うことでしょうか。ようはその建物の完成時期が1981年以降か以前かという視点。築36年以上か以下か。その耐震基準は、新耐震基準と言われ以下のような概念で改正されています。

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新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれた。旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』と変わった。
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リフォームか建て替えかで悩むときには、ひとつの机上の判断基準となります。新耐震以前の建物であれば、目に見えない内部構造の状態が良好でこの先も問題ないとなれば耐震補強を行ってすまいの寿命を延ばすことが可能になりますが、構造に痛みがある場合は建て替えた方が安心して住むことができます。ただ、築年数が浅くても、構造に痛みがある場合や合法的に造られていない場合はやはり建て替えた方が良い場合もあります。こればっかりは現物を調査してみないと判断できません。

子供夫妻と同居することになったのでリフォームしたい。
身の丈に合った終のすまいを再構築したい。
犬と楽しく住むのに快適な環境を整えたい。
ハウスメーカーや工務店のショールームは現実味が無いので建築家はどのような空間を造っているのか。
土間と木、薪ストーブのライフスタイルを構築したい。
などなど。いろいろな方のお悩みをお聞きできて充実した三日間でした。

木(もく)と風が設計テーマの我々にぴったりの志向をもった方々もいらっしゃいました。とっても興味深くお話をお聞きしましたが、私たちの設計志向がうまく伝わったのかどうか。伝わってくれるとうれしいのですが。
そうそう、釣り具畑メーカー一筋の方もいらっしゃり、ルアーメーカーとして今はメジャーになったシイラゲームを仕掛けたというお話しもお聞きでき、是非また別の機会にその方面のお話しもお聞きしたいと思いました。またの機会があることを楽しみにしています。

 

 


リフォームとリノベーションの違いは?

この言葉の違いを瞬時に答えられる人はなかなかいないのではないかと思う。私も明快な解釈に出会うまで、なんとなくはわかるがもやもやっとしていた一人だった。

リフォーム(reform、rehome))とは和製英語であり、英訳するとmakeover(作り変え)やupdating(更新)、renovation(修復)、redecoration(改装)などが出てくる。ややや。リフォームの英訳にリノベーションも出てくるではないか。ややこしくなってくる。また、makeoverはヘアメイク、updatingは情報などがイメージされる。建物の改修に使うにはピントがはずれている感があり、やはり建築ジャンルに使うにはrenovation、redecorationがあってきそうな感じだ。

私がすとんと納得した解釈は次のような解釈だった。

『リフォームはマイナス面をゼロに戻す改修であり、リノベーションはゼロに戻しさらにプラスを加える改修である』

なるほどと膝を打ち、美容整形はリフォームで性転換手術はリノベーションか!と思ったがそれはさておき。世の中で使われている意味合いがすべてその解釈で使われているとは限らないが、もやもやっとした霧はすーっと晴れていった。

ところで、リフォームも設計されるんですか?と聞かれることもある。私の事務所では新築物件しか設計しませんと宣言しているわけではないが、そのように見られているのも事実なのでしょう。最近では、中古住宅市場の充実を目論み、中古売買時に優良物件のお墨付きを与える目的で住宅インスペクションが行われている。これは制度としても整備されつつ有り、既存住宅状況調査技術者なる資格もある。弊社でも、4年ほど前から住宅インスペクション業務を行っており経年した住宅の様々な面を見てきた。戸建て、マンションなど、延べ100軒を超える状況を調査してきたが、幸いにこれは流通させてはダメでしょうというひどい物件はなかった。特に印象に残っているのは「なにも売らなくても良いと思うんだけど…」未練があるのだろう、事情はどうであれ。新築設計をするときの印象とはかなり違うということ。

リフォームは今まで住んできた人がさらに快適に住み続けるためのお色直しであるとも言える。住人が変わる場合はリフォームはもちろんのことリノベーションも視野に入れて前住人の気を抜いて新しい空間を再構築するのが良いと思う。有形のプラスだけではなく目に見えないさらなるプラスも必要になると思われる。日本ではなかなか数百年住み続けられている住宅は少ないが、欧米ではかなり存在し、それまで住み続けてきた住人達も夜な夜な住み続けているという話も聞く。新築の場合は地鎮祭を行い、その土地の氏神(うじがみ)に挨拶する儀式を行う。リノベーションの場合もそのような儀式が必要ではないだろうか。解体される建物の前で地鎮祭をやっているときに、建物のドアが勝手に開いたことがあったという話を思い出した。

追記:

思えば、この事例は地鎮祭ならぬ前住人感謝祭をやれば良かったかなと思う。現場に入った職人が影を見たと言っていた。

リノベーション。渋谷

 

この写真と本文は全く関係ありません。

 


住宅素材について考えること

築140年超えの『古民家をさしあげます!』と告知して以来いくつかの問い合わせをいただいている。問い合わせをいただいた方をご案内し、あらためてまたその存在を目にする機会があった。一部の生活空間は40年ほど前にリフォームされて新建材の部分もあるが、小屋裏にあがると明治初期に江戸時代に生まれた大工による苦労の跡がうかがえる。最近はかかわった職人の痕跡を残すことが難しいすまいづくり。職人気質であろうがなかろうが、誰が関わってもだいたい同じように出来るよう新建材が整っている。この狂わないメンテナンスフリーをうたう新建材が職人をダメにしているのだろうと思わざるを得ない。そして、そんな新建材でできた誰が関わったかもわからない空間の中に住む人もその空間にこだわりを持つことが少ないだろう。古くなれば、また新しくしようという意識が根底に流れている。

前に、最近の車はクラシックカーにならないのは何故だろうということを問うてきた方がいた。その方とフリートークする中で、車のほとんどが、プラスティックやFRPで造られて、へこまない、錆びない、軽いなどなど一見よいことずくめではあるが、手間暇かけて愛でながら状態を向上させるということがしにくくなってきているのではないかという結論に至った。手をかけなくてもそれなりに新車の状態が維持されるかわりに、手をかけても新車時以上にならないのだ。加えて、古い車は税金が高くなるといった税制で国も後押しし、車を永く大切に乗り黒光りしたヴィンテージカーよりも、燃費の良い新車が良いといった大きな流れになっているのだ。

住宅をとりまく状況も残念ながらそれとあまりかわらない。造り手側にもすまい手側にも、住宅を永く住み続けるために素材を吟味する。住宅に手をかける。そしてその手をかければかけるほどよくなっていくという意識を持つ方が多くないのが実情だ。造る方はメンテナンスフリーな新建材を勧めることで自社の首を絞めないようなすまいづくり造りをする。特に自然素材は、熟練の職人でないと扱うことが難しく、うかつに手を出すとメンテナンスで苦労する。反った、割れた、動いたとクレームになるのだ。すまい手も住宅は高い買い物なので、メンテナンスにお金や時間を取られるのはできるだけ避けたい。ましてや長期にわたりローンを組むので、支払中の大きな出費はできるだけ避けたい。両者の思惑が不思議と合致して、新建材がもてはやされる。結果、永く使えるようにと素材と造り方が工夫が凝らされた昔のすまいとは違って、一見メンテナンスフリーのように見える新建材でも寿命が来るとあっけない。素材自体に、修理して工夫して手をかけて永く持たせる意識が無いので取り替えるしかないのだ。取り替えられればよいが、他の要件も重なり、えいや!と建て替えられることになる。建て替えられる資力があればいいが、無ければ悲しい結末。

黒くすすけながらも手の込んだ継ぎ手を見ながら。そうはいうものの、住み手の事情、税制を含む社会事情、さまざまな要因が絡みあい『古民家さしあげます!』という状況になっている。しかし、一点見える光は継承者があらわれ本プロジェクトが動き出すと、その造作に苦労した江戸時代に生きた大工も、材料も喜んでいるのではないだろうかということ。それらの喜びをも継承できるのは、新建材には無い本物の素材がが持つチカラではないだろうか。そんなことを感じつつ、見学者の背中を見まもっていた。